第3回 コルク佐渡島、note加藤のコンテンツ会議

マンガ家と読者の新しい繋がりを作ろうとしている会社コルクの代表 佐渡島さんと、個人が作品を発表・課金出来る仕組みを作るnoteの代表 加藤さんが週一でオススメ作品を紹介して、pv数勝負する企画の第3回

 

作家は主人公を殺して、自分が生き延びる|佐渡島庸平|note

『三四郎』と、もう一冊の上京物語|加藤貞顕|note

 

 

どっちも面白かった。でも、個人的には佐渡島さんの勝ち!佐渡島さんの方が、自分のことをさらけ出していて、心を揺さぶられるものがあった。

読む前に佐渡島さんが「二人とも同じ人を浮かべながら書いた」みたいなコメントをしていたので、二人とも事故死してしまった雨宮まみさんのことを思い浮かべながら作品評をしたんだなぁと思いながら読んだ。

佐渡時さん評】

「ドーン」、「空白を満たしなさい」が、平野さん自身のことを書いた話だ、ということを知ったのが一番の衝撃だった。小説は、作者を反映せざるを得ないものだけれど、編集者である佐渡島さんからの「なぜ、平野さんは生きてられるのか?どういう風に心の中がなっているのか?それを次の小説では書いてほしい」というお願いを受けて作られた作品だっていうのは衝撃だった。

順風満帆に見える作家生活を送っている平野さんも、自分の実存の問題と戦っている。(だから表現者になったんだよ。と言われればそれまでだけど)そんな当たり前のことを突きつけられて、あぁそうかぁと思った。

マチネの終わりにを表現者の40歳問題として読む、という話なんかは、アスリートの引退について話す為末さんとつながるところがあって、平野さん×為末さんの対談なんか面白そうだなぁと思った。雨宮さんもちょうど40歳。自分は作品を読んだことはないので、作品を読んでから、改めて死を悼みたいと思いました。

 

【加藤さん評】
すごいと思ったのは、ここ。全体の内容を一言でまとめると、自意識過剰な青年が大都会・東京で居場所を探す物語、ということになる。自分がこれから本を読んだとき、一言でいうとどういう話かを、他人に伝えられるようにしたい。

しかも、その要約に繋げて、三四郎が傑作になった理由を、国も、著者も、もちろん読者も、すべてが居場所を探していた。だからこんな傑作が生まれたのだと思う。とまとめる。

その視野の拡げ方が、なかなか真似できないと思ったし、ポッとこういうことが書ける蓄積の仕方にあこがれる。自分も精進します。

 

文章の作り方は加藤さんの方が上手いと思ったけど、平野作品の読者でもある自分にとっては佐渡島さんの作品評の方が響くところがあったので、今回は佐渡島さんの勝ち!